AWS Client VPN で作るリモート接続環境③
こんにちは。米須です。
今回は Active Directory 認証の設定について説明したいと思います。
Active Directory 認証の方法
AWS Client VPN で Active Directory 認証を行う場合、下記の3つの方法があります。
- Simple AD による認証
- AWS Managed Microsoft AD による認証
- オンプレのAD + AD Connector の認証
[AWS ドキュメント]
Active Directory 認証
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/vpn/latest/clientvpn-admin/client-authentication.html#ad
社内(オンプレ)にある AD も利用できたのですが、管理を別にしたかったので新しく Simple AD を構築しました。
ちなみに、後で気づいたのですが、利用者の接続可否は Simple AD に登録されているユーザを有効化/無効化することでコントロールできるので、AWS Client VPN 用に AD を構築する方法もアリだなと思いました。
SimpleAD の構築
では、SimpleAD を構築してみましょう。手順は下記にありますが、2020/9 時点ではまだ英語ですね(^^;
[AWS ドキュメント]
Simple AD ディレクトリを作成する
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/directoryservice/latest/admin-guide/how_to_create_simple_ad.html
まず、AWS Certificate Manager を開き、「ディレクトリ」から「ディレクトリのセットアップ」を押します。

ディレクトリタイプの選択で「Simple AD」を選択し、「次へ」を押します。

「ディレクトリのサイズ」で適切なサイズを選択し、「ディレクトリの DNS 名」、「管理者パスワード」を入力し、「次へ」を押します。

AD を構築する VPC と サブネットを2つ設定し、「次へ」を押します。(異なるサブネットに1つずつドメインコントローラが作成されるので、料金が2つ分なんですよね。。。)

設定内容を確認したら、「ディレクトリの作成」を押します。

新しい Simple AD が作成されているのが確認できると思います。Simple なだけあって、結構サクッと構築できたのではないでしょうか。

AD へのユーザ登録
Simple AD もできたし、よーし、ユーザ登録だ!。。。と言いたいところですが、実は Simple AD はマネコンからユーザ登録できないんです(´-ω-`) ドメインに参加しているサーバから Active Directory 管理ツールでユーザ登録しなければならないので、まずはユーザ登録できる環境の構築から始めます。
[AWS ドキュメント]
Simple AD のユーザとグループを管理する
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/directoryservice/latest/admin-guide/simple_ad_manage_users_groups.html
Active Directory 管理ツールのインストール
(英語版の OS で構築したためメニューが英語になっているので、日本語版の OS を利用されている方は適度に読み替えてください(^^;)
サーバーマネージャの「Add roles and features」を選択します。

「Next」を押します。

「Role-based or features-based instrllation」を選択し、「Next」を押します。

「Next」を押します。

「AD DS and AD LDS Tools」と「DNS Server Tools」を選択し、「Next」を押します。

「Install」を押します。

最後に「Close」を押したら Active Directory 管理ツールのインストールは終わりです。

EC2 をドメインへ参加させる
では、ツールをインストールした EC2 を、先ほど構築した Simple AD のドメインに参加させましょう。EC2 のネットワークのプロパティにおいて、Simple AD の DNS アドレスを設定します。

「Computer Name / Domain Changes」において、Simple AD の「ディレクトリの DNS 名」を設定し、ドメインに参加します。

これで、やっとユーザ登録できる準備ができました。
ユーザの登録
では、ユーザを登録していきましょう。「Active Directory Users and Computers」を起動します。

ドメインに参加できていれば、ドメイン名が表示されます。

メニューから Users → New → User を選択します。

ユーザ名を入力し、「Next」ボタンを押します。

パスワードを入力し、「Next」ボタンを押下します。なお、Client VPN 接続時にリセットできないので「User must change password at next login」のチェックは外しておきます。

「Finish」ボタンを押したらユーザ登録完了です。

さいごに
これで前準備は終わりです。慣れない作業は難しいですね(^^;
次は、いよいよ Client VPN の設定をしていきます。
2021/01/22 追記
本文中に記載した「 [AWS ドキュメント]Simple AD ディレクトリを作成する」の表示 URL とリンクされている URL が相違しておりました。表示 URL が誤りでしたので修正しております。失礼いたしました m(_ _)m